お読みあそばせ

もはやただの日記

またも好きな、ひっそりした受けと性にホンポーな攻め「さよなら一顆」

久しぶりに、リアルなディアプラス文庫を読んで、紙は白く、厚く、懐かしかった。しかしこんなに文字は小さく行間は詰まり気味だったっけ。Kindleで読んでいると、行間やフォントは統一されるので読みやすくなる代わりに、メーカーが工夫している温度は感じなくなります。

一穂作品では、とくに好きなひっそりした受け。で、相手は性にホンポーなタイプ(最大六股経験)。だけどこのひっそりした受けの作品、一穂作品ではそんなに人気にならない気がする。気のせい?
ひっそりしているわりに、考え方がちょっと独特なところがいい。ぼーっとしているというか。攻めは自分でも、自分をくそ男だと思っているけど、自覚的にそうしているだけで、そんな自分を嫌いじゃない……わかるわかる。わたしも自分のこと、ダメな大人だと思っているけど、自分のこと結構好きだもんね。
このタイプの攻めの定形どおり、後腐れない関係が好きだったけど、本気の恋をしていく姿がキュンとくる。

エッチシーンも独特……というか、変なプレイはしていないんだけど、最中の会話がらしくて、よかった。
挿絵を草間さかえにしたのも非常によくて、受けの感じは挿絵がなくても草間さかえのマンガに出てくるような感じで。メガネのせいかもしれない。家がラブホ街の中にあるからかもしれない。

しかしいろんな本を読んでいく中で自分の性癖に気づく瞬間は、どうにもいたたまれない。というか、羞恥を再確認しているようでそわそわします。
小編で受けに告白する女の子が登場するんだけど、彼女と自分を重ねて「わかる! 好きになっちゃうよね〜! でもその人、男と付き合ってるんだよ…」と思っていて笑った。