イエーイ! セックスしてますか!?
と出だしましたが、この本そういう話しではない。タイトル通り歪みきった世界で唯一の女として生まれたおちばちゃんが、多くの男根を突っ込まれても、めげずに愛を信じ、自分の未来を信じ戦う精戦である。誤字ではない。
暴力と精液にまみれた汚泥の中から現れたのは、ちょっと変な家族写真。ピース!
さて。中盤から、なるほど「ビスケット・フランケンシュタイン」に近いにおいがすると思っていました。性? 愛? によるSF?*1
本作のほうがより歪んでいるし、直接的な表現がバンバン出て来るし、エグいけど。絵的にはかわいい女の子とかわいい女の子で、もっというと、男の娘と女の子で、やってることは強姦ですけど。
数々の男根を無理やり突っ込まされて、それでもめげずに生きていくおちばちゃんのガッツがすさまじい。BLにも言えることですが、痛い系ラブストーリーでは性的にタフでないと生き残れないことを、まざまざと見せつけられました。
おちばちゃんの、どんな悲壮な目にあっても、めげず、戦い、自分と、自分の周りの人がなるべく穏やかに、幸せになれるようにがんばる姿のなんと強いことか。
セックス、という文字のインパクトが強いのですが、人間を殺して食べる集団とか(ちょうかわいい)、人間を殺して性的興奮をえるうさみみとか(ちょうかわいい)もいて、中二病罹患者には、めっちゃ響くキャラクターばっかり出てきます。
ラストはびっくりするほどのハッピーエンドで、お見事でした。中盤がつらければつらいほど、ラストが輝く物語です。

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*1:めっちゃライトなSFファンなので、ふんわりとしか言えない……