お読みあそばせ

もはやただの日記

革靴とわたし。ドクターマーチンルイスに寄せて。

自分は革靴を1足だけ持っている。かの有名な、大学生にむけて石を蹴ったら履いてるやつにあたるし、そこそこの街にいったら店があると思われる、ドクターマーチン。それのルイスという浅履きのサイドゴアタイプだ。スリッポンともいう。それを何年か前のセールで買った。

当時、熱烈に欲しかったわけじゃなかった。
だってドクターマーチンだし。重いし、硬いし、そのわりに修理しにくいし*1

そもそもまず、自分の服装がどカジュアルでカバンやコートはアウトドアみが強い。これでスニーカー履いたらただのどカジュアルなおばさんである。そういう服に、ポンとパンプスを合わせたら「いい感じ」になるのに、パンプスは靴ずれと友達なので、近寄れない。昔は靴ずれ覚悟でキズパワーパッド持ってチャレンジしてたけど、もうそんな気力はない。
それでも服装をモダンにするつもりはまったくない。着心地・素材を重視すると、どうしてもナチュラルとか、カジュアルになる。とろみ素材や化繊は汗かくとかぶれるし、セーターは洗濯がめんどうで洗濯かごの横でホコリまみれになってる。
そこで、仕方ねえ革靴買うか、となった。

買うにあたり、イメトレはけっこうした。おもに靴磨きの。でもやすりも好きだし、暇なときに磨くのは多分苦じゃない。テレビ見ながらクリーム使って拭くくらいなら全然できそう。
靴のブランドもいろいろ見た。地方都市だとデパートに行くしかない。しかし店員はめんどくさい。店員との応対があまりにもめんどうで、想像しただけでもう靴はいいか……となりそうだった。

そんなときに、マーチンのルイスをネットでみて「これだ〜!」となった。
革靴の丸紐はめちゃくちゃ解けやすいけど、紐がない*2。サイドゴアは経年で伸びてくるけど、ゴムの取り替えは比較的できる修理だし。
形もシュッとしすぎず、かといって丸すぎず。スリッポンだけどスムースレザーが光ってて上品に見えるし。マーチン特有のステッチも黄色じゃなくて黒だから、パッとみはマーチンに見えない。マーチンはイングランド人にとってはスニーカーみたいなもんだし、雑に使ってもいい(ような)懐の深さもある。
札幌にはマーチンの直営店もあり、店員さんのアドバイスもいただけた*3。このときルイスは店になくて3ホールは24cmピッタリだったんだけど店員さんいわく「マーチンは靴によって型が変わるから、あんまりサイズは当てにならないんですよね。でもサイドゴアだと少しきつくても伸びるし、シューストレッチャーで伸ばすっていう手もありますよ」ですって*4

ただやっぱり重いし疲れる。(防止するハーフインソールを入れているが)親指の付け根が痛くなるし、そもそも雪が降ったら履けないので、北海道では履ける期間がめちゃくちゃ短い。今年はついに数回しか履かなかった。
それでもこれ履くだけでどカジュアルおばさんから一步抜け出す見た目にはなる。たとえ靴下が寿司でもね。

美容室行くのでちゃんとした格好をしたのに、靴下は毛玉のついたお寿司のままだった。

最近は若干ゆとりのあるズボンを履くことが増えたし、そういう時代なので、ナイキでもスニーカー履いてると「バランスがよろしくない」と感じることが多いんだけど、革靴を履くとスッキリして見えるから、年に数日しか履かなくても手入れしてる限りはほぼ一生使えるし、キズパワーパット片手にパンプスと血みどろの戦いを繰り広げるより、よかったなと思っています。

余談

当時も迷っていたんだけど、ハルタの革靴もいい。スポックシューズがめちゃくちゃよさそう。ただし試し履きできる店がない。当時はそれがあまりにも恐ろしくて手が出なかった。久しぶりに見て、いまもいいなと思うけど、似たような靴2足いらんよなあ……となっている。こういう部分で嫌になるくらい合理的な自分であった。

*1:底が一体化しているため、底がちびたら交換〜、という一般的な革靴の修理ができない。

*2:解けない紐の結び方も知ってるけど、紐を解いて履いて、がけっこう面倒だと思った。パジャマもボタンのタイプを着てるけど、ボタンを開けずにズボッと被ってる。

*3:デパートの店員はダメでマーチンの店員はいける理由として、マーチンで働いてる人で陽キャっぽい人がいるわけねーだろ…というのがある。マーチンのオタクだぞ、そんな接客グイグイくる陽キャいたら怖いでしょ……。みたいな。実際このとき接客してくれたねえさんも、金髪にピンクのインナーだったけど、ボソボソしゃべる陰キャ風だった。なごむ。

*4:このとき買った安いプラ製のストレッチャーはきつい靴を伸ばすの全般に使っている。ナイキのスニーカーもこれで伸ばした。