化粧品をTCGのデッキに例えるツイートが大バズリした。わたしはTCGがそんなに一般的な趣味になったんだ、ということに驚いたんだけど。
そんな中「化粧する側の人間だけど、いまだにメイクがようわからん。デッキに例えられても」みたいなツイートをみた。わかる。自分もプラモデルはじめて「ああこれはこういうことね」とわかったことが多かったからだ。
スキンケアは平面処理
スキンケアは平面処理である。プラモデルは目には見えない微妙な凹凸がある。プラスチックを溶かして型にいれてるので、つなぎ目とかの密度差でどうしてもできる。目てみてもわからないから厄介。ヒケというやつ。それをヤスリで削って平らにすることで、エッジや平面が整い、できあがりがシュッとするので、ビカビカのガンプラを作りたい人は必ずやるやつ。
戦車でやることはあんまりないんだけど、人間はほぼガンプラなのでやりましょう。
下地はサフ、ファンデーションは塗装
下地とファンデーションは似てるけど違うのだ……。
下地はサフ。プラスチックに直接塗料を乗せても、塗料が弾かれてうまく乗らないので、サーフェイサーを吹き付けて塗料を乗せやすくする。ファンデーションは塗装。
プラモの場合いきなり塗装してもいいけど、サフを一旦ふいて、前述の表面処理がうまくいってるか確認したり、塗料の食いつきをよくする役割があるのでする人も多いでしょう。メイクもいきなりファンデーションやると、食いつきが悪く、落ちやすくなるのでサフは塗っといたほうがいいです。
ちなみにサフと塗装が一緒になったようなのもある(BBクリームとか)。
プラモの塗料にも、ラッカー、アクリル溶剤、エマルジョン、エナメルなどあるように、化粧品にもさまざまな特性を持つものがある。粉とか液体とか、はたまたそれが混ざったやつとか。
ファンデーションにも粉、クリーム、もっとしゃばしゃばな液体、はたまた粉と液がまざったやつなどいろいろあって困るよ。
アイシャドウ、マスカラ、チークetcはフィルタリングやチッピング
ここまでのメイクは下地を整えて塗っただけで、プラモでいうと「きれいにはなったが、なんか物足りない」という状態である。なのでこれ以降やることはフィルタリングやチッピングという、情報量の付け足しや補正だと思っている。
自分の場合はあるとき「顔色が不健康でゾンビみたい」と思ったので、顔色をよくしたい。そうなると、塗装で均一になった頬にチークをいれて血色を足して、唇の色を明るくするとだいぶ健康そうな顔色になる。近眼でメガネないと明日どころかその日も見えなくなるので、アイメイクはしません。
プラモ、どういう思想で塗るか
メイクもそうだけど、プラモをどういう思想で塗るかになる。自分は「最終的に自然光で映えるのがいい」「筆塗りで汚れもニュアンスも全部塗っちゃって、汚しはほとんどしない」がポリシー。なので塗りながらめちゃくちゃ写真を撮る。スマホで。
メイクも同様だと思っている。
自分の場合メイクに手間をかけたくない、肌の色は健康に見せたいというのがあり、下地のあといきなりコンシーラーで済ませる。プラモでいうと、素組に影だけさっといれてなじませてるようなものだ。手軽で、気になるところだけ、マイルドになるようにぼかしてしまえば全体の雰囲気として「悪くないのでは」になる。
もちろんフルメイクしてる人よりは俄然ほぼすっぴんだが。素組のガンプラや素組の戦車にも味わいがあるし。
人に合ってどうこうの仕事じゃないので「まあこんくらいでいいだろ」という感じでやっています。だって自分の顔、自分ではほぼ見えないから。自分の顔がつねに自分でも見えるなら、もうちょっとなんとかしようと思うかもしれない。 そのような未来にならないことを祈ります。