お読みあそばせ

もはやただの日記

ペルソナ3リロード感想。メメント・モリ、あとは、わかるな?

これはP3R https://p3re.jp

ペルソナ3リロードをクリアした。

わたしにとってペルソナ3(以下P3)はかなり特別なゲームである。ただ何が特別なのか、これの何がわたしに強烈な感情を残したのかを、明確に思い出せない。
たしか当時、やってもいないペルソナの4コマアンソロを読んだんだ。それでプレイステーションのペルソナをやってみたら、セーブポイントがなくて「ゲームは1日1時間!」の子供には「無理だ…」となった。1日1時間しかないゲーム時間で、主観の迷路ダンジョンでは迷った挙げ句セーブポイントに戻ることもままならずマナの城から出られなかった。
その後、同人誌なるものを知ったときには、2の旬は終わっていた。その後何年かぶりにP3が発売した。キャラデザやシステムを刷新して。「ペルソナ知らないご新規さんもやってみて」で、これが最初のアトラス作品だった人も少なくなかったと思う。

テーマは「時は待たない」。戻れない1日1日を後悔のないように選び、進むRPGになっていた。ゲームには「取り返しのつかない要素」なるものがいくつか用意されるのが常だが、P3は内容の多くが取り返しのつかない要素になっている。まるで人生のように。

出てくる少年少女は、みんな肉親と縁が薄く、それぞれが自分のせいではない部分に問題を抱えている(韓国ドラマか)。その上、命の危険に晒されながらシャドウという、一般人には知覚できないモンスターと戦わなければならない。ただペルソナを使える才能があるというだけで。
彼らは勇者ではない。それができるというだけで集められた10代の子供だ。だから折り合いがつかず、意見の違いで衝突したりする。あの子が気に食わないとか。あいつが怪しいとか。でもひとつ屋根の下で暮らし、戦うことで、お互いの背景を理解し、前に進んでいく。
たとえその先にあるのが「死」だとしても。

当時のなにがわたしの心を動かしたのか定かではない。おしゃれなUI? 戦闘中にかかる歌詞入のBGM? 最後に死んじゃう主人公? わからないけど、それはわたしの心に深く残った。

これはP3 https://persona3.jp

再装填

P3の評判は当時あまりよくなかった。
やれダンジョン(タルタロス)が退屈だ、やれ仲間がギスギスしてる、仲間に指示出しができない(ドラクエでいう「めいれいさせろ」がない)、極めつけに主人公が死ぬ。わたしは好きだったけどねタルタロス。ゲームにあるまじき不自由さが面白いと思った。主人公が死ぬのも救いだと思っていた。 戦う人が戦った先で満足に向かえる死や、命の使い道を決めて消費した人の死は、むしろ救済だろ。

再装填されたP3は、なんというか、ものすごくキレイになっていた。というか思った通りだったというか。
思い出は美化されていく。とくによかったことは。P3Rは、15年磨かれて当時の形はなんら残ってないが、キラキラした思い出になった状態のP3だ。美化された思い出の現出。
これは当時のP3ではない。私の思い出に残るP3だ。そして数多のP3のリメイクを熱望していた、オリジナル版をプレイ済みの人たちの、思い出の中のP3である。
なにも付け足すことなく、なにも引くことなく、砂利だった道を丁寧に舗装して、森は森のまま残した、そういうものすごく丁寧な仕事を感じた。

とはいえ付け足しはいくつかあったので、システム面のレビューも多少はしておきます。

リンクエピソードがいい

オリジナル版には男の子とはコミュがなかった。女の子たちと比較して男の子たちはキャラの掘り下げがゲーム中でほぼなされなかったのだが、リロードではリンクエピソードという形で補完されている。
とくに途中退場する新垣先輩とのリンクエピソードがとてもよく、これをやらずに例の日を迎えた人はP3の感動が2/3くらいになっていると言っても過言ではない。絶対にやってくれ。

リンクエピソードではないが、仲間とご飯をつくったり、テレビを見たり、犬と散歩したりすることで、お得がいろいろ用意されている。自分は寮の監視カメラのエピソードが大好きでした(監視カメラの誤作動で、キャラの個人的なアレコレを盗み見ることができる)。

真田先輩と鍋作って食べたり

CPUは進化した

なるべくオリジナル版に近い感触でやるために、自分から命令せず、基本的に戦闘操作はCPUにまかせていたんだが、当時タルンダ先輩と呼ばれていた真田先輩はタルンダを打たないし(本当に一切打たない)、コンタラフー先輩と呼ばれていた桐条先輩はコンセントレイト(魔法攻撃力2倍)のあとにテンタラフー(全体混乱)を打つような真似はしなくなっていた。
テウルギア(いわゆるリミット技、ゲージ蓄積で打てる必殺)は自主的に強敵までとっておく。
さらに即死魔法の使い手ゆえに使い勝手が悪かったキャラは、即死魔法以外も覚えるし、どのキャラを組み合わせてもボスに対応できるようになっていた。天田少年好きにはありがたい。

ただ自己バフ、敵にデバフをすることで強化するキャラがいるのに、そういう行動をとりにくい。とくに自己バフ。自分たちにかかったデバフは積極的に解除するし、敵への精神攻撃(混乱や恐怖)は行うが、自己バフと、敵への能力値が下がるデバフ(防御力減や攻撃力減)はほぼやってくれなかった。

武器は剣固定

オリジナル版は主人公が全種類の武器が持てる。グローブを装備すればモーションは真田先輩になるし、弓を装備すればゆかりっちになる。しかし、リロードはさすがに剣固定になった。槍を装備したときの天田くんのダイナミックな動きが好きだったのでこれは少し残念。
ただネタ武器は用意されているので、新垣先輩にバス停をもたせたり、コロマルに骨を持たせることは可能です。

そして一部の防具は衣装になりました。ハイレグアーマーとか。あれちょっと笑っちゃったな。固有セリフとかはなかったけど、当時はたしかセリフがあって「どんなエッチな装備なんだ」と思っていた。だいぶエッチな装備でした。そんな装備で大丈夫か?

まとめ

これが初めてのP3! という人にも間違いなくおすすめだ。主人公は死ぬが。
主人公が死ぬことを受け止められない人の感情も「人生」であり、このゲームを彩るスパイスになるだろう。そういうゲームなので。悲しい人はDLCで出るFesをぜひやって下さい。

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